心の中

2012年05月09日 13:21

プラトン著「国家」におもしろいと感じた表現がありました。

(個人的な解釈も含まれていますので、ご了承ください。)






それは、人の心の中についてです。

プラトンは想像してほしいと言います。




①複雑で多頭の怪物

 (まわりにつけたいくつもの頭には、穏やかな動物の頭もあれば

  猛々しい獣の頭もあり、しかもそれらすべてをを変化させたり、

  自分の中から生やしたりすることのできる怪物)



②ライオンの姿




③人間の姿 (神的支配者という表現もあります)



ただしその大きさは、怪物がずばぬけて最も大きく、ライオンが二番目に

大きいとする。


それでは、出来上がった三つ(①②③)の姿を一つに結びつけて

それらが互いに癒着し合って一つの生き物となるようにイメージする。




そのイメージが人間の心の中にあるものだそうです。


そしてプラトンは例えます。


不正にお金を受け取って利益とすることや、贅沢、強情や気難しさ、

へつらいや卑しさという状態は、ちょうど心の中で

①怪物や②ライオンたちが噛み合い闘い合って、互いに相手を

食い合うがままにさせておくことで、他方③人間を飢えさせ弱くして

①②怪物たちに引っ張り回される状態だそうです。



反対に正義(正しい事)をなすことや一般に認められている美しい事柄とは、

心の中で、獣的な部分を内なる人間(神的なもの)の下に、

服従させているような状態だそうです。





私自身の行動ひとつひとつに、客観的に当てはめてみると

おもしろい気がします。

追い込まれた心の状態ほど、③人間(神的支配者)の部分を保つことが

容易ではない気がしました。



お世話になっている方から教えていただいたことを思い出します。

「どんなときにも、誰に対しても真摯に向かい合えたら一流だよ。」



一流になるには、私にとってはまだまだ心の鍛錬が必要です。





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