ほんとうのモノ
「板極道」 棟方志功 著を読んでいて
個人的にですが、心が洗われるような文章がありました。
元気が出る方もいるかもしれません。
ご紹介させていただきたいと思います。
棟方さんが柳宗悦先生とめぐりあい、教えていただいた事だそうです。
「それまでわたくしは、自分の名が偉くならないと、
仕事がりっぱにならぬと思いこんでいたのです。
それを柳先生は、ほんとうのモノは、名が偉くならずとも、
仕事がひとりでに美しくなるようにきまっているものだという
ことを語ってくれました。
稀有のものより、普通のものにこそ最もりっぱで美しいものが
あるということ、
自力という在り方と他力という在り方に仕事が別れて来るということを、
また、偉いと善いとのこころの別々、
そういうこころの次第を、まざまざと知らされたのでありました。
今まで、見すぼらしい、貧しいものだとばかり思っていたものが、
またそういうこころが、本当においては、
真実な世界にある嵩い意義において、もっとも見事な位置にある
ということを思い知らされました。」
「人の歴史」という時間の川の中で、
未来に流れていく今この時代でも大切な考え方だと思いました。
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